ブログ

【社会科見学記|木工ろくろ細工編】ロシア人もビックリ!マトリョーシカのルーツは箱根にあり!?

マトリョーシカはロシア発祥のお土産ではない!な~んて言ったら信じますか?

バードコールのワークショップで、いつも端材のご協力をいただいているクラフトえいとの露木さんに、神奈川県箱根町にある「箱根ろくろ細工 たなか」さんに連れて行っていただきました。

ナイスな看板!

着いてすぐに目に飛び込んできたのは「ロシアのマトリョーシカ ルーツは箱根だった」と書いてあるインパクト大のこの看板。

その下に書いてある通り、こちらは伝統工芸の木地師 田中一幸さんの作業場兼お店です。

田中さんは、挽物細工という「ろくろ」を回しながら木を削っていく木工の職人さんです。

代表作は「十二卵」と呼ばれる入れ子細工で、これは直径6センチほどのたまご型に成型された木工細工で、一番大きなたまごを割ると、中から次々と小さなたまごが現れるというものです。(お写真は次の機会にご紹介できるかな?)

現在では田中さんは箱根でただ一人の入れ子細工を作る職人さんです。

さてさて本題!

江戸時代から箱根のお土産としてこのような木工細工が作られていたとのことですが、なんと明治時代に箱根を訪れたロシア人がお土産として持ち帰った入れ子式の七福神がマトリョーシカのモデルになったそうです!

参考までに、横浜市にある神奈川県立歴史博物館には12よりもさらに多い、なんと36個のたまごからできている「組子三十六卵」という田中さんの作品が展示されているそうです。

どんどんカドが取れて、あっという間にたまごができていきます。

道具はすべて田中さんの手作り。作りたい形に合わせ、何種類もの木型が並んでいます。

金づち(ゲンノウ)で木型を取り付けたり外したりします。

たまごの内側を削っています。本物のたまごの殻のように繊細です。

たまご作りの工程は、「ろくろ」に型となる木の土台をセッティングし、なぜか「牛」と呼ばれる支え台で「のみ」を支え、職人の勘と指先の感触を頼りに削っていきます。

その削るための道具、木型も「のみ」もすべて田中さんの手作りです。長年使われているであろうこれらの木型や「のみ」はとても風合いがあります。

田中さんに伺ったところ、一番神経を使う作業は、たまごの上下の殻の合わせ目(合口部分)を削るときだと仰っていました。ただ合えばいいわけではなく、合わせたときの感触も大切にしておられました。

さらには、湿度や温度の変化を受けると木材は歪みが起きますが、少しでも歪むと蓋が閉まらなくなったり開かなくなったりします。なので、田中さんは少しでもそういった不具合を抑えるため、削った状態のものをまたしばらく(何年もかけることも!)乾燥させてから調整して仕上げているそうです。

さてここで問題です。これは何を作っているでしょうか?

答えは…とっても小さなコマ!

色付けも「ろくろ」を回しながら行います。そして、完成!コマなのでもちろん回ります。

てのひらや一円玉に乗せると小ささが際立ちますね♪スゴイ!

いきなりクイズにしてしまいましたが、お話しをしながらも目の前でどんどん作業が進んでいき、あっという間に小さなコマが完成しました。できたてホヤホヤのこのコマを、その場で田中さんからプレゼントしていただき大感激です!

ちなみにこのコマは「花独楽」というそうで、昔から縁起物として財布などに入れていたとのこと。コマが回るようにお金回りも良くなり、運が開く開運独楽です。早速お財布に入れなければ!

さて、こんなに細やかな作品、写真だとゆっくり丁寧に作業をされているような気がしますが、実際は本当にあっという間です。無駄のない、思わず見入ってしまう匠の技です。

この小さなコマを外すとき、たまに転がったり飛んで行ってしまい見つからないこともあるそうです。

実際に目の前で見ていると、おがくずの中に入ってしまったら、確かに探し出すのは至難の業だと思いました。

おかくずといえば、この形を見てください☆

シュルシュルシュルッと丸棒のできあがり!

のみの作業のあと、変わった形のカンナで面白い作業(上の写真)を見せていただきました。

角張った細長い棒を円柱にするこの工程で出るおがくずは、見ているだけで想像力が膨らむアート作品のようです。パスタのようにも見えるこのおがくずもお持ち帰りさせていただきました。

さて、これを使って何を作ろう♪

作業場には、木地師(轆轤「ろくろ」を用いて椀や盆等の木工品を加工、製造する職人)の祖と呼ばれている「惟喬親王」の掛け軸がありました。「惟喬親王(これたかしんのう)」は平安時代前期の皇族で、文徳天皇の第一皇子です。

木地師の伝承によると、隠棲中に木工技術を伝えたとして木地師の祖と呼ばれているそうです。この絵の中には電気の無いころの昔の「ろくろ」を使い、お椀を挽いている様子が描かれています。昔の「ろくろ」はひもをひっぱって回して二人がかりで作業していたんですね。

左端に書いてある「筒井神社」とは滋賀県にある神社で、惟喬親王により筒井峠に創建された神社だそうで、この筒井峠はろくろ挽きの発祥の地として知られています。

話しが少しそれました。

田中さんとアスペングローブとの関わりは、バードコールのワークショップにあります。

クラフトえいとの露木さんから提供されている、無垢の端材にカラフルに色付けするバードコールのほかに、アスペングローブでは寄木のバードコール作りも行っているのですが、田中さんはこの寄木のバードコールの意匠を登録されています。(神奈川県工芸産業振興協会 考案保護審査会 登録作品 №8949)

アスペングローブの寄木のバードコールは田中さんの許可をいただき、クラフトえいとさんの寄木パーツや端材を使っています。

余談ですが、露木さんは箱根駅伝の往路優勝校に送られるトロフィーを考案された方です。

田中さんのお店は、小田原方面から箱根町に入ってすぐの国道1号線沿いにあり、箱根駅伝のルートにあたります。とても優しくてサービス精神たっぷりの、素敵な田中さんのお店へのアクセスは、箱根登山鉄道 小田原駅から3駅目の「入生田駅」から徒歩3分です。

露木さんのお店は小田原駅西口より直進して徒歩3分、突き当たりの交差点右側にあります。

いろんなご縁が重なって、寄木バードコールのワークショップを行なうことができていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

箱根ろくろ細工たなかの田中様、クラフトエイトの露木様、お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございました。

とても楽しくてためになる時間を過ごさせていただきました!

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る